Life for my own use

FIRE準備かなぁ。とりあえずはじめてみる。TBD

4月のイベントを振り返ろう

少し早いが4月に体験した「少しのんびりとした生活」の楽しみをまとめてみようと思う。

 

イベントに参加

Dialog in the dark『五感』に参加

目以外のなにかでものを見たことがありますか?
ダイアログ・イン・ザ・ダークは、視覚障害者の案内により、完全に光を遮断した”純度100%の暗闇”の中で、視覚以外の様々な感覚やコミュニケーションを楽しむソーシャル・エンターテイメント。

15年くらい前に気になって行けなかったがようやく妻と行くことになった。

完全な暗闇の中、視覚が無い状態でどうなるのか!?

とても新鮮かつリッチな経験ができた。あんまり書くとネタバレになるので内容には触れません。妻は別のイベントにも参加したいみたい。

 

did.dialogue.or.jp

 

劇団四季「ライオンキング」鑑賞

www.shiki.jp

ライオンキングはディズニー映画は見たことあるけど、演劇は初めて。そもそも演劇ってNYのTKTS Times Squareで買って何個か見に行ったくらいしかないので、妻と観るならまずはベタベタなやつから見てみようと行ってきました。

 

最初のシーンから感動が止まらない!キャストの声量・迫力・動きが洗練されすぎてすごい!演劇鑑賞にハマりそう。次回は何を見に行こうかなぁ。最高だった。

 

 

4月は新年度ということもあったのか美味しい外食が多かった。

・宝町でフレンチ

・西麻布でイタリアン

・永田町で四川料理

日本橋でうなぎ

・自由が丘でスパニッシュ

・日吉で洋食

・神保町で讃岐うどん

 

こりゃ健康診断はダメそうだなw。

 

しあわせな午後のひととき

キラキラなできる先輩

 

皆さんも社会人も板につき、上司からも一目置かれる存在になり、無事に昇給をした頃、新入社員と飲みに行き、得意げにさらりと魔法のなんでも買える金色のプラスチックカードでスマートに会計をしていわゆる「できる先輩」を演じた経験はないだろうか。

 

(え?Z世代の我々は先輩と飲みになんて行きませんよ。タイパ悪いし。とか普段は在宅勤務なので職場の人とかは年に数回しかリアルと会わないです。とかそういうのは一旦忘れて読み進めてくださいw。)

 

自分の未来像とできる先輩。

新入社員からしたら自分よりも社歴が長く仕事のできる先輩が身につけているスーツ、鞄、靴や時計なんかはキラキラと輝いて見えるのだろう。で、ふと思う。自分もこの会社で頑張ればできる先輩のように「キラキラお金持ち」になれるのだ。

こんなキラキラ先輩(未来の自分)はいくら稼いでいるのだろうか?

 

たくさんお金があることはしあわせなのか?

私は、新入社員や若手など人とお金の話になった時のために鉄板の質問を用意している。私はおどけた感じで、

 

「えー、毎日お寿司やステーキは食べられないよ。」「服だって毎月10万円買い続けるのも難しいよ。」「いくらあったらしあわせだと思う?」

 

と聞くのである。

そうすると大体は、

私は欲しいものがいっぱいあるからいくらあってもいいんですよ。お金は腐らないし。欲しいものがないなら代わりに遣ってあげますからください。

といった感じになる。

 

”それから?”("Then what?")「労働倫理の低下に関する逸話」

ハインヒ・ベルの物語 

以下引用を翻訳したものである。

引用元はAnekdote zur Senkung der Arbeitsmoral - Wikipedia

 

ヨーロッパの西海岸にある名もない港を舞台にした物語である。洒落た身なりの進取の気性に富んだ観光客が写真を撮っていると、みすぼらしい身なりの地元の漁師が漁船の中で昼寝をしているのに気づく。観光客は漁師の仕事に対する怠惰な態度に失望し、漁師に近づき、なぜ魚を捕らずにごろごろしているのかと尋ねる。漁師は、午前中に漁に出たので、次の2日間はこの小さな獲物で十分だと説明した。

 

観光客は、1日に何度も魚を獲りに行けば、1年以内にモーターを、2年以内に2隻目のボートを買うことができる、と言う。観光客はさらに、漁師はいつか小さな冷蔵倉庫を建て、後には漬け物工場を建て、ヘリコプターで飛び回り、魚料理レストランを建て、仲買人を通さずにロブスターを直接パリに輸出することだってできると説明する。

 

淡々とした漁師は、"それから?"と尋ねる。

 

観光客は熱心にこう続ける。"そうすれば、心置きなく、この港に座って、太陽の下でうとうとしながら、輝く海を眺めることができますよ"。

 

「でも、もうすでにそうしている」と漁師は言う。

悟りを開いた観光客は、漁師を憐れむ気持ちは微塵もなく、ただ少し羨ましく思いながら、物思いにふけって立ち去った。

 

これは、似通った話を見聞きした人も少なくないと思うが、MBAなんかでよく出てくる話の一つである。余談だが、最も人気のあるバージョンのひとつは、旅行者はアメリカ人のハーバードのMBA修了者で漁師はメキシコ人のようだ。

 

皆さんはどのように感じたであろうか。

この話はしあわせについて考える機会を与えてくれる。

新入社員の頃のように、欲しいものがあってそれを追い求めている状態もしあわせに感じるし、ある程度年齢を重ね、太陽の下でうとうとしながら輝く海を眺めるのもしあわせに思える。

 

さて、改めてしあわせとはなんだろうか?

たまにはしあわせについて物思いに耽るのもしあわせな午後のひと時ではないだろうか。うーん、しあわせとはなんだろう。

 

厄介!FIREの天敵OMY: ワンモアイヤー症候群

One more year syndrome, a.k.a. OMY, ワンモアイヤー症候群

 

FIREが近づくと現れる厄介な問題としてワンモアイヤー症候群がある。

Financial Samuraiによると、

The “one more year syndrome” is a debilitating syndrome faced by people who want to retire but keep putting retirement off.

Before you know it, the one more year syndrome might turn into five years or even 10 years of still working at the same place. Then you might look back on your life with regret for not having the courage to do something new.

「ワンモアイヤー症候群とは、退職したいのに退職を先延ばしにし続ける人々が直面する衰弱症候群である。

気がつけば、ワンモアイヤー症候群は5年、10年と同じ職場で働き続けることになるかもしれない。そして、新しいことをする勇気がなかったことを後悔しながら人生を振り返ることになるかもしれない。」

 

www.financialsamurai.com

 

副業などでサイドFIRE分としてのキャッシュフローが見込める場合はこのハードルが下がるかもしれない。FIREを目指して米国ETFを毎月コツコツと買い集めたり、401K、ideco、NISAなどもフル活用してある程度まとまった金融資産がありこのペースでいったらそろそろFIREいけるかな?みたいになってきたケースを思い浮かべて欲しい。

この資産が積み上がっていく様子を体感している時はある種の「無敵」な状態だと思う。これは、今月市況が冷え込み含み益が少し減少しても今月の給与でドルコスト平均法でいつもより多く購入できるしラッキー!と感じることができるであろうからである。なんにせよひと月我慢をすれば毎月サラリーが振り込まれキャッシュフローがある状態である。

サラリーマンステータス、つまり雇用主に雇われている状態だとあまり意識をする機会はないと思うが、サラリーマンは、サラリーマンという社会的なステータスがあり、雇用主から毎月のサラリーがきちんと振り込まれる。また健康保険料、厚生年金保険料など雇用主と労使折半してもらえ半分を負担してくれている。

 

「もったいなくないか?」

どのような理由でFIREを目指しているかは多岐に渡りそうではあるが、実際にFIREが近づいてくるとあれだけ無意味で嫌だと思っていたブルシットジョブもなぜか可愛く思えてくる。

「えっと、ブルシットジョブだけどそれだけやっとけばとりあえず毎月給料がもらえるし社会保険料も折半してくれる。こんな仕事でこんなにお金もらえているのを手放していいのだろうか?もったいなくないか?」

こうやって見事にOMYとなっていくのだと思う。

 

ちなみにブルシットジョブについて詳しく知りたい人は、

ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論 デヴィッド・グレーバー

 

私の場合は、これに加え、

「もう一年いたらもっと余裕を持ったFIREになるな。ん?あと3年いたらxxx万円を積みませるからそっちの方がいいかも。あっ、年金や社会保険料まで考えたらやっぱり50歳まで在籍していた方がお得!」

もうどうしようもないくらいなOMYであるw。

 

OMYの克服 mfn's case: How I overcame the OMY.

さて、私はどのようにこの厄介なOMYを克服したのか?

まずは整理をする。何が不安なのか。

 

主な不安要素:襲ってくる不安

  1. 現在の保有金融資産で十分に足りていると思えるか?
  2. 取得済み株式のボラティリティによる短期・長期的な精神的ゆらぎ
  3. USD:JPYの円高・円安、為替変動による含み損益の変動による精神的ゆらぎ
  4. FIREに失敗したらどうするのか

 

1. 現在の保有金融資産で十分に足りていると思えるか?についてだが、ここに不安がある場合は、サラリーマンを継続して十分だと思えるところまで資産を太らせる必要がある。

私の場合はライフシミュレーションを何パターンか実施し人生に必要な費用を把握。また投資元本の利回りが想定よりも悪かったとしても、ある程度は余力資金でその期間を乗り越えられそうかなと思えたこと。また不足分はフルタイムでなくとも働いて補充すればいいかと思えたことが大きかったかも。

 

上記2. 3.の市場の上下動については市場は常に動いているのでこれはどうしようもないことだとはわかっているが下がり幅が大きい時はそれなりにメンタルを削られる。なのでより分散させることでリスクヘッジを試みているはずであると骨太の理論に則っており、長期戦だということを再認識する。より確実なものとしたい場合は元本を増やしてから安全金融資産である債権で元本補償かつ利息受け取りという選択肢をとる。(デフォルトが起こったらそれは仕方がないけど。)

 

4. FIREに失敗したらどうするのか。

ここが一番悩みどころ。

40歳半ばで外資系企業中間管理職からFIREをして失敗3年後に社会復帰をしないといけない場合、アラフィフのFIRE卒業者を雇用してくれる先があるのか?その時の待遇は?ここはどうやったらヘッジができるのか?もう一つ高いポジションを取りに転職してからの方が安心ではないか?

それなら今のところで50歳まで勤めて金銭的な不安を和らげた方がいいのか?

せめて40代前半だったらまだリスクが下がったのに。。。

 

という感じで堂々巡りw。

悩みまくっていたら脳裏に日テレで昔やっていたマネーの虎吉田栄作氏が浮かび、

「ブルシットジョブで人生フィニッシュです。」

と言われた(気がした)。

そこから自分にとって重要なものは何か、自分の感性に正直になってみたところ

 

 

「ワンモア嫌。」

 

 

もう自分の心は、

「クソどうでもいい仕事」はワンモア嫌。早く抜け出せノーモアブルシットジョブ!

といっていることがわかった。

Financial Independenceということは働かないで金融資産などからの不労所得で生活をしていくことだけでなく、自分が本当にやりがいを感じたり、働きたいと思う人やコトに挑戦できる選択をして、5ー10年くらいかけてその挑戦を形にしていけばいいかもしれない。50代半ばで好きなことして生活費の一部が賄えればいいかも。

と思えたことである。またこの考えに寛大なる理解と賛同を頂けたパートナーである妻にも大いに感謝である。(ダメそうだったら日雇いでもなんでも頑張ります。)

 

さて、ここから自分用の人生を謳歌していこう!OMYになった時は自分の心に正直に。でも無理せずに。

 

最初のリタイア民 My 1st met Early Retiree, N山さん

アーリーリタイアやFIREを実践している人にあったことありますか?

 

YouTube, BlogなどでFIRE宣言をして情報発信をしていたり、雑誌やWeb記事かなどで寄稿をしていたり、人によってはいわゆる「塾」的なものを運営していたりと一昔前と比べると情報に触れる頻度は格段に高まっているように感じる。

 

しかしながら実際にアーリーリタイアやFIREをしている人に会う機会はどれくらいだろうか。偶然にも身近なところに実践者がいたことは私はとても幸運だったかもしれない。

 

私の最初のリタイア民 My 1st met Early Retiree, N山さん

N山さんは前職の先輩であり私が最初に出会ったアーリーリタイア民であった。

私が30代後半に転職に成功しそのお祝いとして送別会を開いてくれたのがN山さんで転職を喜んでくれたのもN山さんでした。N山さんは脳の報酬系が「コスパ」に支配されているようで、「定価xxx円のものがこのクーポンを使うと30%もお得!」だとか「このバナナが30円!」と見切り品がさらに見切られた品を見つけてはとても満足気に皆に話をしてしまう人だった。

 

そんなN山さんが私の壮行会で「じゃぁ僕も秘密を一つ。もうすぐリタイアすることにしました。」と突然言い始め、私とN山さんの送別会に変更となった。

 

アーリーリタイアする人なんて身近にいなかったため全員興味津々でN山さんとの質疑応答が大盛り上がりw。ちなみにこの時N山さんは40半ばの年齢だと思う。

一番印象に残っているのは、N山さんがアーリーリタイアを決断するにあたりライフシミュレーションを実施した結果あらゆるシナリオで90歳くらいまで生活をしても資産は余る結果となり、仕事へのモチベーションの維持が難しくなった。また旅行が趣味のため3ヶ月刻みで色々な国を旅をして生活をしようと考えていると語っていた。

また、N山さんは株もかなりやっており月曜から夜ふかしで有名な桐谷さん的に株主優待も詳しく、サラリーマンとしての給与キャッシュフローがなくなるから株は配当利回りが下がるがディフェンシブ銘柄で固めようなどとも語っていた。

 

そして私は転職をしN山さんは無事にアーリーリタイアを達成し沖縄に引っ越して毎日ホテルのプールでプカプカ浮いているようだった。

 

その後、私もN山さんが話していたライフシミュレーションに興味を持ち、「人生で必要な費用」について考えるよいキッカケになったと思う。またそこから月日が経ち、Google Sheetで自作のシミュレータを作ってプランニングをして、ようやく「少しのんびりとした生活」を実行に至ることができたわけである。

 

ライフシミュレータに関しては、ライフシミュレーションと検索をするとフリーで色々あるので何個かやってみると参考になると思うので興味のある方はぜひ。

 

参考 ライフプランニングシミュレータ

www.fsa.go.jp

 

www.zenginkyo.or.jp

 

www.jafp.or.jp

 

ちなみに私もN山さんもFPでもなければ金融業界にいたことはない。

 

タイミングも悪く世の中がコロナ禍となり、N山さんの海外旅行計画はうまく実行できない状況になり、N山さんは沖縄のホテルのプールでクーポンを組み合わせながら格安でホテルランチとプールサイドで日焼けを楽しんでいるようであった。

 

 

余談ではあるが、ある日N山さんがアーリーリタイアを卒業していたw。

何年かのんびりと沖縄のプールで浮いていたがどうやら暇過ぎて仕方がなかったようで前職時代の専門を活かして本を書き出版し謎に某大学の准教授になり情報番組の専門家枠でたまにコメントしている姿が見られるようになり精力的にご活躍のようであるw。

私はこれからどうなるかまだわからない。このまま「少しのんびりとした生活」を楽しんでいくのか、N山さんの様にとある期間の休息を経て精力的な社会復帰を目指すようになるのか。

ただ今は、「なんだかようやく自分の人生を取り戻した」気がする。この感覚を忘れずにここから家族と一緒に一歩ずつ自分用の人生を歩んでいこうと思う今日この頃である。

 

ファミコン的マネーリテラシー

お金持ち的な考え方との最初の出会ったのはいつだっただろうか。

親や親戚などからお小遣いやお年玉をもらったときには、都度大事に使いなさいと使い方について言及されたことがあるが、お金を増やすことに触れる機会はいつだっただろう。ふとそんなことが脳裏によぎったので幼少期を思い返してみた。

 

スーパーマリオブラザーズ

コインを100枚集めると1UPする。1UPするとゲームを遊べる時間が増える。

 

ドラゴンクエストシリーズ

敵を倒すとゴールドがもらえ、ゴールドは強い武器・防具・道具や宿泊などに使える。

道具やゴールドはなるべく温存タイプだったため、終盤ではお金や道具が余る。

この頃から貯蓄癖があったのかもしれないw。

 

モノポリー・人生ゲーム・桃太郎電鉄いただきストリート

ボードゲーム型でサイコロを振ってとまったマス目でイベントが起こり、手持ちのお金が増減する。基本的に運的要素が強いが、いただきストリートは株を購入でき、ゲームが進むにつれて株の影響が大きくなっていく印象。

 

松本亨の株式必勝学

友人宅にあった株のトレードゲーム。小学生では不明な部分が多かったが、最初にNTT株を買っておくと爆上がりする裏技を見せられた気がするw。

www.youtube.com by たぶやんのレトロゲーム実況

 

 

あとは、お金持ちってケチなんだなと印象つけられたのは、当時の金曜ロードショー(だったか?)でやっていた

マルサの女』(監督・脚本 伊丹十三

www.youtube.com by akaisenshi3

 

このシーンは強烈に残っている。当時小学生だった私はお金持ちになるにはこれくらいケチにならないとダメなんだなと思っていた。

 

年月が経て自分がようやく「資本から所得を得る」にはどうすれば良いかを考える時にようやくこの重要さに気がつくことができたと思う。

 

複利が1%だった場合、元本が2倍になるには72年の投資期間が必要になる。

これは「72の法則」と呼ばれているもので投資経験者であればどこかで聞いたことがあることだろう。

単純に複利が倍の2%だったら元本が2倍になるには36年となる。

 

コップの水=元本をなるべく肥やして、高い複利が効く銘柄に投資ができれば、コップから喉を潤す必要はなく、最初は水滴のように垂れ落ちてくる水も少しずつ増えていくようになっていき、常に喉を潤すことができるようになる。

もちろん現実にはリスク許容度を考慮すべきであるが、マルサの女のこのシーンの比喩は強烈であり、とてもわかりやすくたまに使わせてもらっている。

 

ここ近年でマネーリテラシー関連の情報や資産形成の制度が増えてとても有難い。

当時はわかっていなかったが、改めて振り返ってみると、ファミコン世代のわたしはゲームの中の創意工夫や当時の映画からマネーリテラシーを少しは向上させられたのではないかなぁなどと無理やりこじつけ、この話を元にPS5購入の交渉材料として、妻との決戦に挑もうと思う。

 

 

 

憲法から眺める人生設計と退職プランの価値観の変化

ブログタイトルも決まったので「少しのんびりとした生活 ≒ Financial Independence, (Retire Early)」のための先立つものハード面の基本のおさらいをしてみようと思う。

 

憲法から眺める人生設計と退職プランの価値観の変化

 

日本国民の三大義

こちら言わずもがな、教育の義務、勤労の義務、納税の義務であるが、義務教育以降、憲法の条文を読むこともないので、改めて眺めてみる。

 

以下、衆議院のWebサイトからの引用。

日本国憲法

www.shugiin.go.jp

〔教育を受ける権利と受けさせる義務〕

第二十六条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。

2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

 

〔勤労の権利と義務、勤労条件の基準及び児童酷使の禁止〕

第二十七条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。

2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。

3 児童は、これを酷使してはならない。

 

納税の義務

第三十条 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。

 

憲法について普段意識することはないので、改めてみると新鮮である。

なんで、憲法を思い出したかというと、従来の価値観(今もそうかもですが)を準えると、

 

教育を受けたのち、勤勉に働き、納税をして、65歳(70歳)まで勤勉に働き、納税をして、そこから引退し、年金をもらって今までの努力の成果を第二の人生(余生)を楽しみましょう。

 

と言ったような憲法の国民の三大義務に則した人生設計が基底となって大多数の人がそれに沿った生き方をしていたのではないだろうか?

 

 

Investopediaによると

www.investopedia.com

What Is Financial Independence, Retire Early (FIRE)?

"FIRE(Financial Independence, Retire Early)とは、極端な貯蓄と投資を行い、従来の予算や退職プランでは不可能なほど早いリタイアを目指す人々の運動。

ヴィッキー・ロビンとジョー・ドミンゲスによる1992年のベストセラー「Your Money or Your Life」は、この運動に参加する人々が使うコンセプトの多くを広めた。FIREという言葉や頭字語の起源は不明だが、この言葉はこの本の核となる前提を体現するようになった: 人々はあらゆる出費を、その支払いに要した労働時間数で評価すべきである。"

 

とある。要するに従来の退職プランよりも早くリタイアをしようというものであろうと思う。

個人的に面白いなと思うのは、日本だけでなく米国やその他の国(多分)でも今までの人生・退職プランの見直し的なムーブメントが起きていることから、多少の差異はあれど人間としてのファンダメンタルは同じであり、人間的な欲求は人種や国籍などではあまり変わりがなさそう。また従来の定年制の価値観からの多様化が多くの場所で起こっているのではないかという点である。

 

ーーー

基本理論についてのおさらい

書籍、雑誌、Web記事、有識者などから色々と情報がありふれているのでもうどこで聞いたのかすら覚えていないのだか、FIREを実践もしくは目指している人はすでに既知なものだろうと思うので記憶に残っており、骨太っぽいのを列挙してみる。

 

25倍の法則と4%ルール

年間支出の25倍の金融資産を年利4%で運用しつつ、増えた4%分を切り崩し生活する。(金融資産の平均成長率がg%で物価インフレ分r%を差し引いたうんぬんみたいな説明も見た気がするが、面倒なので割愛。)

 

退職金の節約:持続的な取り崩し率の選択 (Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable)

通称トリニティスタディ。株式を含むため不規則に変動する引退者のポートフォリオからの「安全な引出し率」を究明の研究。4%ルールの元ネタ。

論文がPDFで閲覧できそうなので、興味がある方はこちら

 

アップデートver.はこちら。

thepoorswiss.com

 

『21世紀の資本』トマ・ピケティ

r>gの元ネタ。r: 資本収益率, g: 経済成長率

この頃は富の不均衡、格差に焦点が当てられていたと思うけど、まぁ投資している人としていない人では格差が広がる的な感じなので、私は、投資しましょうという理解にしておく。

 

『私の財産告白』本多静六

四分の一天引き法と有望な事業への株式投資

今風に解釈すると、入金力を高めてETFを買い続けるみたいな感じかも。

 

他にもFIREの種類分けとかFP的なライフシミュレーションとかアクティブファンドとパッシブファンドの比較研究や社会保険料も含めた示唆などもある。必要に応じて調べればいいかなと。

 

要するに色々と有用な情報はあるので、必要に応じた取捨選択をしながら

1. Income(収入) - Expense(支出)>0

2. Savings(貯蓄) - Expense(支出)>0

3. 上記1. 2. の組み合わせ Income(収入)+Savings(貯蓄) - Expense(支出)>0

を達成できればよいことになる。

 

1. は運用型であり、支出の25倍の資産を金融資産4+%の運用で回していく。

e.g. 1億2500万円を4%で運用できると年間500万円(税込)

2. は貯蓄型であり、寿命分の貯蓄を作り支出に当てていく。

e.g. ざっくりと年間500万円の支出で60年生きると3億円くらいは必要。

3. は組み合わせなので割愛。

 

基本的には資産運用は資産運用でやりつつ、生活費が足りなくなったら貯蓄から取り崩すかアドホックかパートタイムジョブみたいなもので不足分を補うのが汎用性に富むと言える。

 

基本理論はこんなところであろうか。

これから我が家は3. Income(収入)+Savings(貯蓄) - Expense(支出)>0で回していくことになりそうだ。

 

 

 

Life for my own use (自分用)

ブログタイトルを何にしようかと思っていたらブログ登録するときに、決めていたことに気がついた。

「Life for my own use (自分用)」

やっぱり自分の人生は自分用として時間を費やしていきたい。サラリーマン生活を20年もやるとあれこれと知らぬ間に勝手に「社会人として」の常識が染み付いているものである。そのルールに染まっていることは、とても気が付きにくく、人によっては心地良いものだと思う。

 

"DIE WITH ZERO" (by Bill Perkins)によると、

オーストラリアのケアワーカーが余命の身近い患者に人生で後悔していることをヒヤリングしたら、多くの人が「働き過ぎなければよかった」「もっと自分に忠実に生きればよかった」と答えたようだ。

 

これを読んだ時に、自分はまとも過ぎる生き方をしてきたのではないか?とふと疑問が湧いた。もう少し分解すると、自分はまともな社会人として、サラリーマンとしてやりたくないことも受け入れて会社のために働き過ぎていたのではないか?

 

幸いにしてサラリーマン20年分の結晶としての蓄えもある。これは本当に幸運な事だったと振り返りつつ、ここから自分の人生を歩んで行こう。そんなことを思い"Life for my own use(自分用)"をブログ名にしてみようと思う。